下肢静脈瘤 治療のデザイン
女性科学者はスポーツ生理学が専門で、ほかの学者とチームを組んで、筋肉裂傷の治療に及ぼすビタミンCの抗酸化作用を調べた。
さらに一四人の被験者に、体重一キロ当たり一二・五ミリグラムのビタミンCと一〇ミリグラムの抗酸化剤Nアセチル・システイン、あるいは効き目のないプラセボを毎日与えた。
研究者らはビタミンCとNーアセチル・システインの抗酸化作用が傷の治癒を早めるのを期待していた。
ところが意に反して傷の治りは悪く、血液には明らかに強い酸化の徴候が現れていた。
つまり、ビタミンCとNアセチル・システインが、被験者の傷を前よりいっそう悪化させていたのである。
ビタミンCは、酸化防止剤として私たちの身体をフリーラジカルの攻撃から守ってくれるし、免疫システムも強化するので、多くの人から賞賛されている。
だがいつもそうとは限らない。
摂取する分量にもよるのである。
とくに勤勉なラジカル捕捉物質として賛美されているビタミンCではあるが、濃度が高くなると、驚くべき力を持った有害物質に変身する。
すでに一九九〇年代はじめに科学者が、細胞を培養し大量のビタミンCを与えると、傷ついた遺伝子の数が増えることを、実験で確認している。
この結果を人体で再実験しようと、レスター大学のC教授は、三〇人の健康な被験者に、毎日五。
〇ミリグラムのビタミンCを摂取してもらった。
これはレモン八個分、あるいはビタミンC発泡剤一錠分と同量である。
六週間にわたって被験者の血液を調べ、白血球の一種であるリンパ球の遺伝子を検査した。
その結果、ビタミンCはたしかに人間のリンパ球の遺伝子を守るが、傷つける場合もあることがわかった。
リンパ球の遺伝子を構成するグアニンの量は減っていたが、もう一方のアデニンの量が明らかに増えていたのである。
リンパ球のアデニンの量が増えると、免疫システムが著しく弱まる。
ビタミンCは免疫システムを強くするが、大量摂取すると機能を低下させることもある。
このような結果を、ポドモア教授は科学誌『ネイチャー』に「心配の種」というタイトルで報告している。
同様にビタミンCは血管によくない影響を及ぼすことがある。
アメリカ心臓学会が五七三人の女性を対象にした研究で、毎日五〇〇ミリグラムのビタミンCを摂取すると血管が狭くなり、心臓疾患のマティアス・ラート博士が主張する分子矯これは危険な考えである。
これは非常に重要なことだ。
リスクが高くなることを、二〇〇〇年春に報告している。
正医学では、高配合ビタミンC製剤は心筋梗塞を予防するとしているが、まったく逆の場合も起こりうるからだ。
多量のビタミンを医薬品と組み合わせたときがとくに危険になる。
ビタミンとの相互作用によって医薬品の効き目が失われたり、あるいは相乗効果で効き目が強くなりすぎることもある。
ところがこの点を医学では、「許しがたいほどおろそかに」している、とアメリカのミシガン州毒物センターのスーザン・スモリンスクさんは嘆いている。
アメリカ人の約一八パーセントが医薬品とビタミン・サプリメントを同時に服用している。
だが医薬品と高配合ビタミン製剤の相互作用を考慮する医師はほとんどいない。
医師にしてみれば、ビタミンは栄養素であり医薬品ではないといいたいのだろう。
だが多くの医薬品がビタミンによる影響を受けているのは明らかなので、これは致命的な誤りである。
抗コレステロール剤一高コレステロール血症治療薬「リポベイ」をめぐるスキャンダルのおかげで,この種の医薬品が横紋筋腫の原因になることは,いまではよく知られている。
この病気になると筋肉組織の破壊へと進み、死にいたる場合もある。
ビタミンB群のナイアシンを一緒に服用すると、薬の効き目がさらに強くなることはあまり知られていない。
剤が少量でも死亡する場合がある。
であるレボドパによる治療が行われている。
この治療によって脳機能の改善が期待されている。
ところが残念なことに、この薬は化学的影響をきわめて受けやすい。
そのため、ビタミンB群のピリドキシンを大量摂取すると、ー!ドパの効き目をほとんどなくしてしまう可能性が高したイギリスの研究で、フルオキセチンと葉酸五〇〇マイクログラムを一緒に投与したところ、九〇パーセント以上が快活になった。
抗うつ薬のみの場合は、通常六〇パーセントである。
葉酸を服用している患者が抗うつ薬による治療を受ける場合は、医師に事前に言っておく必要がある。
効き目が強くなるということは、副作用も強くなる。
だが、葉酸のおかげで抗うつ薬の量を減らせることも明らかだ。
その場合は効果が失われることはない。
葉酸製剤は抗うつ薬よりはるかに危険が少ないので、これは患者にとって大きな利点といえよう。
血栓を溶解する作用があるので、服用すれば血栓症のリスクは低下する。
しかしビタミンKを含むサプリメントを摂っている人にはほとんど役に立たない。
このビタミンは「傷の治療薬」として、むしろ血液を凝固させる作用があるからだ。
同じような作用はQ刊にも見られる。
反対に、ビタミンEはワルファリンの血液凝閏阻止効果を強めるのではないかと疑われている。
もビタミンEとワルフアリンを組み合わせると、内出血のリスクが高まることになる。
うしそうなら、したがって、リスクの大きいワルファリンをビタミンEと一緒に投与する場合は、少量にしたほうがよい。
頭痛、皮膚の刺激、口の渇き、血液像の変化が観察されることがある。
子どもの生殖器に病変が起こる場合もある。
要な物質が必要な場所に滞りなく運ばれるように、賦形剤、助触媒などが入っているので、医薬品を何種類か組み合わせて飲めば作用も増大する。
錠剤、ドリンク剤、粉末、カプセルなどに含まれるこういった添加剤はすべて、人間の身体に膨大な負担をかける。
こうしてビタミンは医薬品に混合されて怪しげな薬のカクテルとなり、添加物質と作用して医薬品の効き目に影響を及ぼしている。
そればかりか、ビタミンはワクチンとも相互作用し、しかもその作用はいつまでも持続する。
高齢者に免疫システムに役立つことを何かしたほうがよいと勧めるのは、適切なことだ。
だがそういわれた高齢者が、健康体操をしたり、クナイプの水療法を行ったり、新鮮な空気の中で身体を動かしたりすることはまずない。
その代わりに、ビタミン剤でも飲んでみょうかと考える。
ビタミン剤やビタミン・サプリメントを摂っているのは五〇歳以上の人々に多い。
健康体操のほうがはるかに健康によいと思うのだが。
それに加えて、高齢者はいつもさまざまなワクチンを勧められる。
医師はとくにインフルエンザ予防ワクチンを定期的に接種するよう勧める。
また常設ワクチン委員会は肺炎予防ワクチンを勧めている。
高齢者の場合は肺炎球菌のために、肺炎や脳膜炎で死亡することがよくあるからだ。
だがこれらのワクチンを合成ビタミンと組み合わせると、予想外の作用が出てくる。
場合によっては、まったく逆の作用を引き起こすことさえある。
病気にかかりゃすくなるのだ。
これはオハイオ州のウェイト・パターソン空軍基地の感染症対策局で六五歳以上の被験者七九人を対象にした調査の結果である。
それによると、マルチビタミン剤を定期的に服用しているとワクチンへの免疫反応が鈍ることが確認された。
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